html5コント:スイッチ 言い方の家族

[家庭教師]
林京太  木村家の家庭教師 男性ブランコ浦井

[木村家]
木村幸三
木村家の父親 マツモトクラブ

木村由美
木村家の母親 男性ブランコ平井

木村良明
木村家の長男 高校1年生 ラブレターズ溜口

木村楓
木村家の長女 中学3年生 藤原麻里菜

ト書きナレーション ラブレターズ塚本

【良明の部屋の窓の外の松の木の枝の上】

雀が一羽チュンチュン鳴いて、一羽でとてもさみしそうです。リスが木のウロから顔を出しました。枝の先には大きな松ぼっくりがでっぷり太っています。
そのままそのまま、日常が続いています。



【良明の部屋】
家庭教師、林京太は木村良明に数学を教えています。良明はウンウンと頭を悩ませています。

良明 ウンウン
・・・わからない?
良明 ウンウン
そうだなあ、因数分解のしかたをもう一度復習してみようか。
良明 ・・・はい。
それじゃあ、その前のページを開いてみて。

するとノックの音が聞こえてきました。
コンコン。

はい

ドアが開きます。
ガチャ。
良明の母、木村由美がおぼんに熱いお茶を
乗せて入ってきました。

由美 勉強中にごめんなさいね。
良明 もう〜、なんだよ。
由美 熱いお茶入れたから、どうかなって、
良明 いらないよ、別に。
由美 あらそう?先生はどう?
あ、じゃあ、僕はいただきます。
由美 ほらあ、先生は欲しいって、
良明 もうわかったから、あっち行っててよ。
由美 はいはい、わかりました、
お邪魔虫でしたね。
いえいえ、お茶ありがとうございます。
由美 とんでもありませんわ。
お茶いただきます。

林は美味しそうにお茶をすすります。ずずず〜。

由美 あら、いい飲みっぷり。
ありがとうございます。
由美 あ、そうだ、もう晩御飯の準備できてるので、先生もご一緒にどうですか?
え?一緒にですか?
良明 ああ、それはいいね、先生もどう?
え?あ、じゃあお言葉に甘えて、いただきます。
由美 お父さんも、楓も待ってますから、早く来てくださいね。
あ、はい、ありがとうございます。
由美 今日は、みんなが大好きな豆乳鍋ですよ。

由美はドアを開け、出て行きました。
ガチャ。

それじゃあ、休憩して豆乳鍋をいただこうかな。
良明 はい、お腹減りました。




【ダイニングルーム】

林と良明はダイニングルームのドアを開けます。
ガチャ。
大きなテーブルの周りには、木村幸三、木村由美、木村楓が座っていました。
テーブルの真ん中にあるカセットコンロの上には、大きな土鍋があります。その蓋の小さな穴から白い蒸気が勢い良く吹き出ています。
蓋カタカタ。
蒸気シューシュー。
蓋カタカタ。
蒸気シューシュー。

由美 はい、それじゃあ、先生、良明、座って座って。

林と良明は席に座ります。

晩御飯まで、ありがとうございます。
幸三 あっはっはっは、いつも良明がお世話になっておりますからな、うちの由美ちゃんの自慢の豆乳鍋ですよ。
由美 ちょっと、お父さん、先生の前で由美ちゃんって言わないでくださいな。
幸三 あっはっはっは、すまないすまない、うちの家内はシャイなんですな。
あ、そうですか。
幸三 ほら、楓、挨拶なさい。
よろしゅうたのんま。
よろしゅうたのんま!?
幸三 ああ、楓はね、今、関西弁にハマっているんですなあ。
関西弁にハマっている!?
幸三 そうです、色んな方言が好きなんです。
うちの豆乳鍋は美味いでおま。
美味いでおま??ああ、それは楽しみです。
幸三 それでは揃ったところで、蓋を開けさせていただきますよ、この仕事は私の役目なんですよ、蓋を開けた瞬間のもわもわに注目ですよ。
あ、はい。
幸三 よいしょ

幸三は土鍋の蓋を開けます。すると鍋から白い湯気が立ち上りました。
もわもわもわあん。

幸三 あっはっはっは、鍋のぐつぐつにも耳を澄ませてごらんなさい、食欲が掻き立てられますぞ。

全員、鍋の音に耳を傾けます。
ぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつ。

ああ、確かに、お腹減ってきました。
幸三 いかがですか、これがうちの豆乳鍋です。
これは、とても美味しそうです。
幸三 それじゃあ、豆乳鍋いただこうじゃないか、みんな声を揃えてえ〜、せえの!
みんな いただきます。




良明 ハフハフ、まろやかあ。
由美 ん〜まあ、お豆腐美味しいわねえ。
幸三 ホフホフ、肉がやわらかいぞお。
ずずず〜、ええやんけ、ええやんけ。
とても美味しいです。

みんなの笑い声がダイニングルームに響き渡りました。
























































【良明の部屋】
林京太は木村良明に数学を教えています。
良明はウンウンと頭を悩ませます。

良明 ウンウン
・・・
良明 ウンウン、あの先生〜
・・・
良明 先生?先生?
ん?え?ああ、ごめんごめん、ぼーっとしてた。
良明 ここがわからないです。
ああ、因数分解のしかたね、じゃあ、もう一度復習してみようか。
良明 はい。
それじゃあ、その前のページを開いてみて。

林は、ふと良明の部屋のドアを振り返ります。

良明 先生?どうしたの?
え?ああ、ごめんごめん、なんでもない。
良明 へんなの。
えっと、じゃあ、この例題を見てごらん。
良明 はい。

【良明の部屋の窓の外の松の木の枝の上】
雀が二羽仲良くチュンチュン鳴いていて、リスがタッタタ枝の先へ、大きな松ぼっくりがポトッと地面に落ちました。
そのままそのまま、日常が続いていくようです。


おわり